飲酒の健康影響等について
○飲酒の健康影響
不適切な飲酒は、高血圧、高脂血症、肥満、糖尿病、痛風などの生活習慣病のリスクを高めます。また臓器障害も肝臓だけではなく、脳・歯・食道・胃・十二指腸・小腸・大腸・すい臓・心臓・血管・骨と全身に影響があります。
○適正飲酒量と不適切な飲酒量
- 節度ある適度な飲酒量(適正飲酒量)は、1日当たり純アルコール量20g程度の飲酒
(例、ビール(5%):約 500ml、泡盛(30%):0.5 合(90ml)、日本酒(15%):1合(180ml)
ワイン(12%):グラス2杯弱(240ml)) - 生活習慣病のリスクを高める飲酒量は1日あたり純アルコール量 40g 以上の飲酒
- 多量飲酒とは、適正飲酒量の3倍にあたる純アルコール量60g以上の飲酒
▼下記の表以上の飲酒(男性40g・女性20g)は生活習慣病のリスクを高めます!
《適正飲酒の10か条》 |
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1 談笑し、楽しく飲むのが 基本です 2 食べながら 適量範囲でゆっくりと 3 強い酒 薄めて飲むのが オススメです 4 つくろうよ 週に二日は休肝日 5 やめようよ きりなく長い飲み続け 6 許さない 他人への無理強い イッキ飲み 7 アルコール 薬と一緒は危険です 8 飲まないで 妊娠中と授乳期は 9 飲酒後の運動・入浴 要注意 10 肝臓など 定期検査を忘れずに 【(公社)アルコール健康医学協会】 |
○酔いの状態
純アルコール量 | 酔いの程度 | 酔いの状態 |
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20g以下 | 爽快期 | 気分爽快、疲労感がとれる頭すっきり、顔は上気し赤くなる |
20gを超えて40g以下 | ほろ酔い期 | 体温上昇、脈が速くなる 多弁、多動、動作に円滑さを欠き始める |
40gを超えて60g以下 | 酩酊初期 | 手足の動作がおぼつかない 身ぶりが大げさになる 悪口をポンポン言う |
60gを超えて120g以下 | 酩酊期 | でき上がった状態 千鳥足、ろれつがまわらない 呼吸が速くなる 吐きけ、嘔吐 |
120gを超えて200g以下 | 泥酔期 | まともに立っていられない 意識混濁、顔面蒼白 |
200g超えて | 昏睡期 | 意識なく、昏睡に陥る 大小便たれ流し 呼吸はゆっくり深く 呼吸マヒ、死にいたる危険大 |
○アルコールの消失(分解)速度
血中のアルコール消失(分解)速度は個人差が非常に大きいといわれています。ある実験結果によると、消失速度での平均値は男性でおよそ1時間に9g、女性で6.5g程度とされており、ビール500ml(純アルコール量20g)が、分解されるのにおよそ男性では2.2時間、女性では3時間程度といわれています。
○女性と飲酒
- 一般に女性は男性に比べて肝臓障害など飲酒による臓器障害をおこしやすく、アルコール依存症になるまでの期間も短いと言われています。
- そのため生活習慣病のリスクを高める飲酒量(純アルコール摂取量)について、男性で1日 40gを超える飲酒、女性は1日 20g を超える飲酒としています。
○妊婦と飲酒
- 妊娠中の飲酒は、妊娠合併症などのリスクを高めるほか、胎児にも発達障害など悪影響があります。
- 妊娠中あるいは妊娠しようとしている女性はアルコールを断つことが求められます。
- また、アルコールは母乳にも影響することから授乳中は飲酒を控えることが求められます。
○未成年者と飲酒
- 未成年者の身体は発達過程にあり、アルコールの分解能力が成人に比べて低く、アルコールの影響を受けやすいと言われています。
- 未成年者の飲酒は急性アルコール中毒や臓器障害、アルコール依存症のリスクが高くなります。
- さらに、未成年者の飲酒は事件や事故にあう確率を高めるなど社会的な問題にもつながります。
○その他の問題
- 飲酒は飲酒者本人のみならず、家族、職場など他人に、悪影響を与える場合があります。
- 健康問題では、家族の心の健康やそれに伴う自殺、子の発達障害などがあげられます。
- また、暴力や虐待、飲酒運転など大きな社会的な問題の原因となっています。